2014
8/12

BOOK

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穴らしきものに入る

著:|出版社:

「穴があったら入りたい。」

よく晴れた日曜日。
男は、自宅で洗車をしていた。

ぼぉーっと、
ホースで、水をかけていると、
指がホースに入ってしまう。

指を引くが、なかなか抜けない。
引いて駄目なら押してみよう。と
ぐっと押す。

すると、男の身体は、スルスルとホースの中に。
そのまま、よいしょ、よいしょと進むと
ホースの反対側から、ずぶ濡れになって出てきた男。

その日を境に、男の不思議な穴ライフがスタートした。

———-

「なんじゃあ。こりゃあ!!!」
読み終えた後。松田優作ばりに、叫んだ小生。
そして、
古典落語の「あたま山」という話を思い出しました。

内容は、
ある男がサクランボを種ごと食べてしまいます。

すると、その種が男の頭から芽を出して
大きな桜の木が生えます。

そしたら、近所の人たちは大喜びで男の頭に上って、
その頭を「あたま山」と名づけて花見で大騒ぎします。

男は頭の上がうるさくて苛立ちのあまり
桜の木を引き抜いてしまいます。
すると、頭に大穴が開きます。

この穴に雨水がたまって大きな池になり、近所の人たち、
今度はこの池で魚釣りを楽しみだす始末です。

釣り針をまぶたや鼻の穴に引っ掛けられた
男は怒り心頭。

遂には、やりきれない気持ちを抱えて
自分の頭の穴に身を投げて死んでしまいます。

そんなエッシャーの騙し絵のような話。

皆様も本作を読んで、
そんな、文学の生み出したパラドックスに
迷い込んで見てはいかがでしょう?

———-

紙の上なら、なんでもあり。

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