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紙の本を読まなくなっているらしいので、これはチャンスと言わんばかりに
日々の読書活動で感じたことをゆるり、ゆるりと書いていきます。
読書の魅力を、森のような優しさと、時に稲妻のような力強さと、
「しかし何よりも良枝には、父、茂の気持ちが一番気懸りなのでした・・・」
的な事で、当サイトに迷い込んだ皆様にいい本を
紹介したいのでございます。
「穴があったら入りたい。」
よく晴れた日曜日。
男は、自宅で洗車をしていた。
ぼぉーっと、
ホースで、水をかけていると、
指がホースに入ってしまう。
指を引くが、なかなか抜けない。
引いて駄目なら押してみよう。と
ぐっと押す。
すると、男の身体は、スルスルとホースの中に。
そのまま、よいしょ、よいしょと進むと
ホースの反対側から、ずぶ濡れになって出てきた男。
その日を境に、男の不思議な穴ライフがスタートした。
———-
「なんじゃあ。こりゃあ!!!」
読み終えた後。松田優作ばりに、叫んだ小生。
そして、
古典落語の「あたま山」という話を思い出しました。
内容は、
ある男がサクランボを種ごと食べてしまいます。
すると、その種が男の頭から芽を出して
大きな桜の木が生えます。
そしたら、近所の人たちは大喜びで男の頭に上って、
その頭を「あたま山」と名づけて花見で大騒ぎします。
男は頭の上がうるさくて苛立ちのあまり
桜の木を引き抜いてしまいます。
すると、頭に大穴が開きます。
この穴に雨水がたまって大きな池になり、近所の人たち、
今度はこの池で魚釣りを楽しみだす始末です。
釣り針をまぶたや鼻の穴に引っ掛けられた
男は怒り心頭。
遂には、やりきれない気持ちを抱えて
自分の頭の穴に身を投げて死んでしまいます。
そんなエッシャーの騙し絵のような話。
皆様も本作を読んで、
そんな、文学の生み出したパラドックスに
迷い込んで見てはいかがでしょう?
———-
紙の上なら、なんでもあり。
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