地下の映画倶楽部fromフクロウの地下倶楽部

男は、大事な商談に向かう為
どこまでも続く道で、車を走らせていた。

すると、男の前に現れたのは
黒い煙を吐きながら遊泳する
薄汚れた大きなトラック。

男と車は、その
ゆらゆらと陽炎のようにそこにある
巨大なトラックを
追い越し、先を急いだ。

そして・・・
その何の変哲もない
追い越しをきっかけ...

街中から「まぬけ」と言われた子供たち。

その「まぬけ」な子供たちは
「いろけ」より「くいけ」と
チャリで、世界を横断する。

そして、仲間を家族を自分を
救うため
伝説の海賊の財宝を
探す旅に出た。

少年から大人に変わる途中で
忘れかけていた輝く自由を
「まぬけな」子供たちは、全速力で取り戻す。...

有能な写真家の青年は
週末を利用し
恋人の実家を訪れる。

青年は、荷造りをはしゃぐ恋人に
少し浮かない顔をして
尋ねる。
「・・・僕が黒人だって事は伝えているの?」

恋人は、優しく微笑み答える。
「そんな事、伝える必要はある?」

青年は、少し考えたあと
恋人を抱きしめ
眠りについた・・・

そし...

「時で金を買う。そして、金で時を買う」

「時を制するものは、
勢いを増し続ける資本の濁流の中で
不死を見出す事が出来る」

そう信じて疑わなかった男は、
今日も、分刻み、秒刻みのスケジュールで
飛行機に乗り込む。

そして、男を乗せた飛行機は
絶海の孤島に急降下し
男は、世界の時から完全に切り離さ...

こいつは
不潔で、陰気で、性悪で、中卒で、
日雇いで、激安の家賃も滞納していて

知人、友人なんか一人もいなくて
もちろん恋人なんかこれからも、ずっと居やしなくて

我が国の国内総生産が世界2位になろうと
憲法9条を守り、非戦を貫こうと

政治家が天罰だと抜かした大地震で
夢のエネルギーが爆発し
立...

男はつぶやいた。

「悪事を働いたのに
こう毎日毎日、忘れもせずに飯をくれるもんだ・・・
まぁしかし
この美味い麦飯だけは止められん・・・」

甘く煮た金時豆。
大きな肉が入った春雨スープ。
牛丼、エビチリ、ヒレカツ、アジフライ、茶わん蒸し。
コッペパンにはさんで食べるマーガリン小倉。
月に一度の...

その男の仕事は、
美術鑑定士。

その一流の鑑定眼は
神がかりとも言われ

美術品に魅せられた人々は
今日も行列を成して
彼の事務所の門を叩いた。

そんな多忙な彼の元に
ある日、奇妙な依頼人から
電話が入る。

依頼の内容は

他界した両親の美術品を
競売に掛けて欲しいというもの。

内容自体は
何の変...