波打ち際の達人。
ガキの頃の話です。
住んでた家から自転車で、
30分位、がむしゃらに走ると海がありました。
恋人たちが、はしゃぐ星の砂浜なんて
チャラチャラしたものでは、ございません。
我が国の近代化を日々支える。
鋼鉄の要塞「コンビナート」が佇む。
アスパラガス・グリーンの海。
そんな海。
そんな、人工的な海を目指し
多分、立ち入り禁止であろう鉄柵を越え
ガキどもはグイグイ進みます。
ガキどもからすれば、少し遠出でしたので、
ナップザックなどを背負って
そこに食糧、水、そして
不測の事態を想定して、エアガンなどを入れている訳です。
誰もいない、だだっ広い工業地。
そんなSFのような風景が
ガキどもを一層、地球最後の防衛隊みたいにさせていくのです。
で、敵地を慎重に進み
海岸に着くと
地球最後の釣り人達が、
意外と、和気あいあいと釣り糸を垂らしていたのです。
そこで、ガキどもは、
海岸近くを通る敵の船を、監視する事にしました。
敵のレーダーは、ガキどもに気付いたらしく、
その鉄の体を勢いよく走らせ、刃のような波を起こし
岸に、その刃を向かわせます。
ガキどもは、「うぉ~」「今のは、でかかった!」「ギリギリセーフ!」
など大声で騒ぎながら、
敵の猛攻に為す術なしといったところでした。
すると、釣り人3人が話しかけてきました。
「漁船は、ここに人がいるのを解っているから、
ここまで届く波は起こさないようにしているから大丈夫だよ」
「ほんとですか!」「さすが、海岸の賢者」
「長年この海を見てきたんですね」
と安心した矢先。
今までの船より、桁外れにデカい船が岸から超近い距離で、
かつ猛スピードで、近づいてきました。
ガキどもは、本能的に危機を察知し、無言で岸から離れました。
3人の釣り人は、折り畳みの椅子にかけたまま
「ふぉっふぉっふぉっ。だから大丈夫じゃて・・・」
! ! !
次の瞬間。
おじさんたちは、当然届いた波に、椅子を倒され
後ろに豪快に倒れました。
ガキどもに目に映った。
おじさんたちのコケっぷりは、
スローモーションで見せらえる
コーラスラインのダンスのようでした。
僕らに、手を借りて
恥ずかしそうに体制を整えるおじさん。
そして事件以降は、船が通るたび、中腰になるのでした。
ガキどもは暗くなってきたので帰りました。
そして、帰り時に
「どうやら、港のさらに奥に、
無数の巨大な砂山が建設されている」
という情報をキャッチするのでした。
カテゴリ:雑文
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