ちいさな独裁者
「我が逃走」
ボロボロに汚れた
ドイツの若き脱走兵は、逃亡の途中で
美しい軍服を見つける。
その軍服は、ナチス将校の軍服。
一目で解るそのデザインは
世界が恐れ
そして魅了された
灰色の狼の姿をしていた。
脱走兵は、拾った軍服を着こなし
徐々に狼の権威を身に纏っていく。
行く先も定まらない
若いウソツキ兵士の
白黒の逃走劇は、多くの人々を巻き込んで
絶望の戦場を突き進む。
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冷たい光を放つ
若き脱走兵は、僕であり、あなたである。
そう強く思えた作品。
寝ても覚めても、戦場と言う
変わらない悪夢の中で
何人の人間が、勇気を示し、優しさや道徳を
持ち続ける事が出来るのでしょうか?
忘れてしまいがちですが
人は、優しくされないと、人に優しくなんか
できないのです。
誰にも優しくされない戦場の兵士たちは
与えられた信念と、
飢えと、恐怖に蝕まれ
ギリギリの精神状態で
自らの正当性を保つべく
敵も味方も見境なく、殺していく。
それが、本作の描いた戦場のひとつのリアルです。
是非、ご覧になって下さい。
そして、これが、70年前に起きた遠い日の
出来事ではなく
今、実際、優しくされなかった人々の中で起きている
出来事だと、考えてみて下さい。
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失意の足跡を辿り、どうか光の射す方へ。
監督:ロベルト・シュヴェンケ|主演:マックス・フーバッヒャー
カテゴリ:チ|ドイツ|戦争
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